2021年にシーメンスは複数の既存のライセンスサーバとベンダデーモンを置き換えて統合する新しいライセンスサーバ Siemens License Server(SLS)をリリースしました。
NX 2206までは SPLM Licensing Serverも使用可であったためSLS の使用は必須ではなくオプションでしたが、NX 2212以降はSLSの使用が必須となります。
NX 2212には、Siemens License Server バージョン2.1以降が必要です。
https://docs.sw.siemens.com/ja-JP/doc/209349590/PL20220512394070742.xid1753866/id1264327
SLSはNX5 以降の ugslmd およびその他のデーモンと下位互換性があります。
これまでのベンダデーモンは、例えばNX、TCなどの PL 製品の場合は “ugslmd”、Mentor 製品の場合は “mgcld”、CD Adapco製品の場合は “cdlmd” などでしたが、結合された新しいベンダデーモンは “saltd” という名前で、新しいライセンスサーバは「Siemens License Server」(SLS) という名前になりました。
この変更によるライセンス機能としての変化はなく運用環境への影響はありません。
管理者にとっての明らかな違いの 1 つは、ライセンスファイルの構造の変更です。
既存のSiemens PLM License ServerからSLSへアップグレードする場合や、新規にSLSをインストールする場合、SLSのインストーラは既存のライセンスファイルを自動編集して必要なフォーマットに自動的に書き換えます。
SLSのインストール前とインストール後のライセンスファイルのヘッダ部分(SERVER行とVENDOR行)の変更点:
「変更前」
SERVER
<your server hostname> <your composite ID> 28000
VENDOR ugslmd
「変更後」
SERVER <your server hostname> <your composite ID> 29000
VENDOR saltd saltd PORT=29001
“PORT=” を使用したベンダデーモンの着信ポートの使用は、SPLM
License Serverではオプション設定でした。
SLSでは既存のポート番号28000 との競合を避けるためにデフォルトの発信ポート番号が29000 に変更されています。このポート番号29000 を使用する場合は、クライアントPCの既存のSPLM_LICENSE_SERVER 環境変数を次のように変更する必要があります。
「From」
SPLM_LICENSE_SERVER=28000@<サーバのホスト名>
「To」
SPLM_LICENSE_SERVER=29000@<サーバのホスト名>
ポート 28000 を他で使用していない場合は、ライセンスファイルで 28000 (および着信用に 28001) を引き続き使用することも可能です。それによりNXクライアントの SPLM_LICENSE_SERVER環境変数の値を編集する必要がなくなります。
デフォルト以外のポート番号を使用するには、SLS インストーラの「アドバンス設定」を使用して、インストール中に変更できます。
インストール後に新しいライセンスファイルを変更したり、SLS インストールを再実行してポートを変更したりすることもできます。 [ライセンスサーバソフトウェアの更新] トグルを選択し、[ライセンス ファイルの追加/置換] をオンに切り替えます。
これらの変更は、NX CAD だけでなく、NX CAM、Simcenter 3D、NX Nastranなど、すべての NX プラットフォーム製品に適用されます。 ライセンスファイルに Teamcenter製品が含まれていて、29000 ポートを指定している場合は、Teamcenterサーバのライセンス定義を 28000 から 29000 に変更する必要もあります。または、前述のようにライセンスファイルを変更して 28000 のままにすることもできます。
Notes